
気がつけば2019年も残りわずか。来年の2020年は「令和」になって初めての年明けです。
そんな令和が初めて迎える新年の干支は「子年」
元号が変更になって一番最初の新年を、干支で一番手の「子年」で迎えるのです。
しかも2020年は東京オリンピックが開催される記念の年となります。
もちろんこれはただの偶然ですが、私はこの偶然を発見してなんだかワクワクしています。
干支と言えば十二支が有名ですが「なぜ『鼠年』ではなく『子年』なの?」や「同じ子年でも『戊子』や『庚子』があるけどどう違うの?」といった疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は「干支」に焦点を当て、干支に関する様々な事をご紹介していきたいと思います。
目次
2020年の干支は子!
朝晩、肌寒くなってきましたね。そろそろ年賀状の準備を始める方も多いのでは?
干支(えと)といって皆さんが思い浮かべるのは十二支の「ね・うし・とら・・」だと思います。
年賀状を準備しながら「来年の干支はねずみ年かぁ」なんて考えている方もいるのではないでしょうか。
実はこれって本当は干支ではなくて十二支と呼びます。
干支の2番目の「支」の部分ですね。
来年の2020年は子年。十二支でいえば「子(ね)」になります。「ねずみ」です。
では最初の1文字目の「干」についてですが、来年2020年の「干」は「庚(かのえ)」となります。
1文字目の「干」が「庚」で、2文字目の「支」が「子」。これを合わせて「庚子(かのえね)」と呼びます。正確には2020年の「干支」(えと)は「庚子(かのえね)」になるわけです。
幼い頃に学校で友達に「なにどし生まれなの?」と聞いたり、初詣の際に「俺今年は年男なんだよね」といった干支にちなんだ会話をした事がある方も多いと思います。
そんな私達日本人に馴染みの深い「干支」ですが、実は干支は日本古来のものではなく、中国で生まれたものなのです。
中国でははるか昔、十二支と十干を使って時の流れや方角等様々なものを表現していました。
十二支は誰もが知っている「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」の10種類を指す言葉。
十干とは何となく知っているという方も多いかもしれませんが「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の10種類を指す言葉です。
これらの組み合わせは全部で60種類あり、私達日本人が覚えている十二支のみで表す干支は、正式な干支である「十干十二支」が簡略化されたものとされています。
つまり「十干十二支」の考えで言うと、自分が生まれた年と同じ「干支」が再び訪れるのは12年後ではなくて60年後。
これを聞くと60歳を祝う「還暦」が「暦(こよみ)が還(かえ)る」と読める意味が分かるのではないでしょうか。
ちなみに来年の正式な干支は「庚子(かのえね)」ですが、干支が60種類もあると覚えるのも一苦労。
その為、現在は簡略化された十二支のみの干支が主流となっているようです。
ちなみに十二支は、元々動物とは無関係の「ただの言葉」でした。
しかしそれでは覚えにくいので、昔の中国のお偉方が一般市民でも覚えやすいようにそれぞれの文字に身近な動物を割り当てて普及させたと言われています。
ただ、なぜ「猪年」や「鼠年」ではなく「亥年」や「子年」という普段と異なる漢字を割り当てているのかは未だ謎のまま。
もしかすると「猪」や「鼠」等の難しくて画数の多い漢字ではなく、「亥」や「子」等の簡単で覚えやすい漢字を使う事によってより広く普及させようとしたのかもしれません。
干支の庚子とは何?
先ほど「干支は十干と十二支の組み合わせ」とご紹介しましたが、この組み合わせにはそれぞれ相性の良い組み合わせと悪い組み合わせがあるそうです。
それには「陰陽五行説」が関係しています。
陰陽五行説とは、陰と陽の「陰陽論」とあらゆる物は「木・火・土・金・水」の5つの要素(五行)で構成されているという「五行説」の事。
十干の読み方はこの陰陽五行説に基づいており、陰陽説の「陽」を兄(え)「陰」を弟(と)と呼ぶ読み方と、五行説と読み方の組み合わせによるものだと言われています。
よって十干の
「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の読み方は、それぞれ
「きのえ(木の兄)・きのと(木の弟)・ひのえ(火の兄)・ひのと(火の弟)・つちのえ(土の兄)・つちのと(土の弟)・かのえ(金の兄)・かのと(金の弟)・みずのえ(水の兄)・みずのと(水の弟)」
となっているのです。
干支の起源は、この陰陽の「兄(え)弟(と)」から来ているのかもしれません。
さらに十二支もこの「陰陽五行」を当てはめる事もでき、それぞれを当てはめると
「水=子(陽)、亥(陰)」「土=丑(陰)、辰(陽)、未(陰)、戌(陽)」「木=寅(陽)、卯(陰)」「火=巳(陰)、午(陽)」「金=申(陽)、酉(陰)」
となります。
つまり十干と十二支それぞれに五行と陰陽があり、これらの組み合わせの相性の良し悪しによって、その年の在り方が分かるとされているのです。
ちなみに来年の干支は「庚子」
どちらも「陽」の要素を持っている「庚子」の「金(庚)」と「水(子)」の関係は「金生水」と呼ばれ、相性が良いと言われています。
相性が良いという事は良い年になる可能性があるという事。
そんな「庚子」は具体的にどんな年になるのでしょうか。
それ点については次でご紹介したいと思います。
庚子の子年はどんな年
十干十二支の考えを知って、来年の「庚子」はどんな年になるのか気になる方も多い事でしょう。
早速ご紹介したいところですが、それに触れる前にもう一つご紹介したい事があります。
それは十二支に関するもう一つの考え方。
十二支は単に陰陽五行に分類されるだけでなく、植物が生まれてから成長して枯れていくまでの過程を表しているという説があるのです。
この説では十二支の始まりである「子」は「種の中に新しい生命が生まれた状態=命の始まり」の状態であり、中間の「辰」「巳」で成長のピークを迎え、その後「亥」の「枯れた後、種子の中に生命の力が閉じ込められている状態=次に備えての終焉」に向かうまでの流れを表しているとされています。
この説で「命の始まり」という意味を持つ「子」
これが変化の予兆という意味を持つ「庚」と組み合わされる2020年の「庚子」は、変化を求めて新しい事にチャレンジするのに良い年になると言われています。
何か始めたいと思っている方は、これを機に挑戦してみると良いかもしれません。
子年はどんな意味をもつ年?
先ほどもご紹介しましたが、かつて「干支(十二支)」と「動物」は無関係でした。
しかし普及を目的として干支(十二支)に身近な動物を当てはめた事により、普及と共にその年の動物になぞらえて縁起を担ぐ人々も増えていったそうです。
ちなみに来年の子年には「子孫繁栄」の意味合いがあるのだとか。
恐らくねずみが一度にたくさん子供を産む事から生まれた考え方なのでしょう。
「子年」は、子供が欲しいと望んでいる夫婦には最適な年だといえるかもしれません。
2020年の干支ねずみ年はどんな年?『戊子』や『庚子』亥ってどんな意味? まとめ
私達にとって干支とは「十二支」のみで表すものが一般的ですが、本来干支とは「十干」と「十二支」の組み合わせからなる全60種類の「十干十二支」で表されるもの。
更に今私達に馴染みのある「十二支」も元々は動物とは全く関係なく、普及の為に覚えやすい身近な動物を当てはめたものだと言われているのです。
この事を知っているだけでも、少し干支に対する見方が変わるのではないでしょうか。
また、忘年会などでの良い話のネタになるかもしれません。
なお2020年の十干は「庚」で十二支は「子」
十干と十二支の組み合わせには相性がありますが、「庚」と「子」は相性が良いと言われています。
また「庚」と「子」の組み合わせは、新しい事にチャレンジするのに適しているのだとか。
加えて子孫繁栄と共に十二支のトップバッターということもあって「種の中に新しい生命が生まれた状態=命の始まり」という意味合いも持っている子年。
個人的には少子化が進む現代において、子供を願う1組でも多くの夫婦に新しい命が宿って欲しいと願うばかりです。
ちなみに子年生まれの人は社交的だが好き嫌いが激しい一面がある人が多いのだとか。
毎年年末になると「次の干支は何だっけ?」という会話が増えてきますが、干支の起源や意味を理解しておくと、話のネタになるだけでなく次の年を迎えるのが一層楽しくなるかもしれません。