戸籍謄本と戸籍抄本の違い、取り方と使い方、パスポートにも必要

先日パスポートの申請に行った時、申請に必要な書類が分からなかったので事前に窓口に問い合わせたら戸籍抄本戸籍謄本と…」と言われました。

パスポートの申請には他にも顔写真や本人確認書類などが必要となるのですが、ここで私が引っかかったのは「戸籍謄本」と「戸籍抄本」の違い

大切な手続きを行う際に必要とされる「戸籍謄本」や「戸籍抄本」

どちらも一文字違いで読み方も似ていることから「どこが違うの?」と疑問に思う方も多い事でしょう。

そこで、今回は「戸籍謄本」と「戸籍抄本」について調べた事をご紹介したいと思います。

目次

「戸籍謄本」と「戸籍抄本」の読み方と意味は?

みなさんは「戸籍謄本」と「戸籍抄本」の読み方意味を知っていますか?

「戸籍謄本」と「戸籍抄本」はそれぞれ(こせきとうほん)(こせきしょうほん)と読みます。

ここまでは多くの方がご存じだとは思いますが「じゃあ、それぞれの意味は?」と聞かれると言葉に詰まってしまう方も少なくないでしょう。

戸籍謄本の「謄」には「原本通りに写す」という意味があり、戸籍抄本の「抄」には「抜き書きする」という意味を持っています。

つまり戸籍謄本は家族全員の戸籍が書かれたもので、戸籍抄本は必要となる個人の戸籍情報のみを記載した書類になるのです。

「戸籍謄本」と「戸籍抄本」の違いとは?

先のご紹介でなんとなくそれぞれの違いが分かったという方もいるかもしれませんが、ここで改めて「戸籍謄本」と「戸籍抄本」の違いについてご説明します。

ざっくり言うと、この2つの違いは記載されている戸籍情報が「家族全員分」か「必要な個人分だけ」かという点。

ちなみに戸籍謄本については「戸籍全部事項証明書」と呼ばれることもあるのだそうです。

これは、戸籍謄本には戸籍に入っている人全員の情報が記載される事からそう呼ばれるようになったのでしょう。

同じく戸籍抄本も個人の戸籍情報のみを記載する書類である事から「戸籍個人事項証明書」と呼ばれる事もあるそうです。

戸籍抄本が必要な場合、間違って戸籍謄本を提出してしまっても必要な個人の情報は記載されているので代用できる場合もありますが、反対に戸籍謄本が必要な場面で間違えて戸籍抄本を提出してしまった場合は代用がききません。

戸籍抄本も戸籍謄本も取得にはお金も手間もかかるので、二度手間にならない為にも必要な書類が「戸籍謄本」なのか「戸籍抄本」なのかは間違えないように気をつけましょう。

「戸籍謄本」と「戸籍抄本」の使い方の違い

では戸籍謄本が必要な場面と戸籍抄本が必要な場面ではどのような違いがあるのでしょうか。

そもそも戸籍は対象となる人物が日本人であると証明する事はもちろん、家族関係を明確にして身分を明らかにするという大切な役割を担っています。

そのため戸籍謄本も戸籍抄本も、戸籍を確認しなければならない大切な場面で提出が求められる事が多いようです。

「戸籍謄本」については、戸籍の家族全員分の情報が記載されている事から、相続や公正証書の遺言の作成、結婚や本籍の移動等「家族の繋がり」の確認が必要な場合に多く必要とされます。

ちなみに結婚の際に本籍地のある役所に婚姻届けを提出する場合には、戸籍謄本の提出が免除される場合も多いのだとか。

一方で「戸籍抄本」については、主にパスポートの申請の際に提出が求められるそうです。

なお提出書類で戸籍抄本が必要とされる場合は「戸籍抄本でも戸籍謄本でも可」となっている事が多いのだとか。

全部がそうだとは限りませんが、調べたところ戸籍抄本と戸籍謄本のどちらを提出しても良いケースとして、パスポート申請の他にも生命保険の申請や年金受給の請求などがありました。

ただし、生命保険などは特に会社によって必要となる書類が違ってくるので「いざ手続きを!」という段階で間違った書類を出してしまわないように、提出は戸籍謄本でも戸籍抄本でも良いのか、提出するのは戸籍謄本(又は戸籍抄本)でなければならないのかは必ず確認しておきましょう。

「戸籍謄本」と「戸籍抄本」の内容は?

「戸籍謄本」と「戸籍抄本」の違いは分かりました。

ただ、そこで疑問なのが「それぞれの記載事項(内容)に違いがあるのか」という点。

この点については、大きな違いはありません。

戸籍謄本と戸籍抄本はどちらも、対象者の名前や生年月日や本籍地、そして戸籍の筆頭者氏名といつ作られた戸籍なのかという戸籍事項や両親の名前と続き柄、最後に生まれや結婚・離婚の記録となる出生や婚姻等の身分事項が記載されています。

「戸籍謄本」と「戸籍抄本」の値段・手数料は?

先程私は「戸籍抄本も戸籍謄本も取得にはお金も手間もかかる」とお伝えしました。

ではどのくらいかかるのでしょうか。

自治体によって多少の値段差はあるようですが、基本的には戸籍謄本も戸籍抄本も手数料は変わらず450円の所が多いようです。

市役所で取得手続きをする場合には窓口でこの450円の手数料を支払えば良いですが、郵送で書類を取得する場合には、現金を封筒に入れるわけにはいかないので多くの場合が定額小為替で対応しているのだとか。

中には現金書留でも良い自治体もあるようなので、郵送で取得手続きをする場合には手数料の支払い方法については忘れずにチェックしておきましょう。

「戸籍謄本」と「戸籍抄本」の取り方は?どこで取る?

最後にそれぞれの書類の取得方法についてご紹介します。

戸籍謄本も戸籍抄本も手続きとしてはあまり変わりありません。

まずは市役所で手続きを行う場合。

恐らくこの方法で手続きを行うという方が多いのではないでしょうか。

かくいう私も平日に仕事の昼休みを利用して市役所に行ったり、営業時間延長の日を狙って仕事終わりにダッシュしたりした記憶が…

仕事をしているとなかなか市役所に行くというのは大変ですが、この方法が一番確実で早く取得が出来ます。

手続きとしては、市役所に設置してある「戸籍に関する証明書の交付請求書」に記入して、運転免許証などの身分証と一緒に窓口に提出するだけ。

あとは窓口の職員が案内してくれるのでその案内に従うだけで取得する事が出来ます。

なお転勤や長期出張等で他県にいる場合や、どうしても平日に市役所に行くのが難しい場合には、もう一つの方法として「郵送」で手続きを行う事も可能です。

郵送の場合には対象の市役所のホームページから「交付請求書」をダウンロードして本人確認証のコピーと切手の貼ってある返送用封筒、定額小為替や現金書留などの市役所指定の手数料を入れて送るだけ。

場合によっては委任状や請求者情報の提出が求められる場合もあるので、郵送で手続きをする際には絶対に本籍地のある自治体に必要な書類を問い合わせるかホームページで確認して下さい。

また、この方法は取得までに少なくとも数日かかるので、出来るだけ早めに手続きを行いましょう。

なおマイナンバーの「通知カード」ではなく、写真付きの「マイナンバーカード」を取得している方についてはコンビニで手続きができる場合もあるそうです。

この方法が時間も選ばず手間も少なくて済みそうですが、対応していない自治体もあるようなので、マイナンバーカードを取得している方で戸籍謄本や戸籍抄本が必要な方は、一度本籍地の自治体に確認してみる事をお勧めします。

ちなみに私は先程から「本籍地の~」という言葉を使っていますが「私の本籍地ってどこ?」という方もいるでしょう。

実家の住所になっている場合が多いようですが、もちろん祖父母の家だったり配偶者の実家が本籍地になっているなんて場合もあります。

自分の本籍地が分からない場合には「本籍地入りの住民票」を取得しましょう。

わざわざ「本籍地入りの」と書いたのは、住民票の申請の際に本籍地を記載するか否かを選べるため。

本籍地を知りたい場合には、申請の際に「本籍地を記載する」を必ず選択してください。

他に本籍地を知る方法として、運転免許を持っている方は内蔵されているICチップを利用して試験場や警察署の端末で調べるという方法もあります。

ただし端末で調べる場合には免許取得時に決めた暗証番号が必要になるので、暗証番号が分からない場合や忘れてしまった場合にはかえって手間がかかってしまうので注意が必要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は戸籍謄本と戸籍抄本の違いや、戸籍謄本や戸籍抄本の取得方法などをご紹介しました。

戸籍謄本も戸籍抄本もあまり頻繁に必要になる書類では無いかもしれませんが、長い人生の中で1度は取得手続きが必要となる日が来るかもしれません。

そんな時に、今回ご紹介した情報が少しでも皆さんの役に立てれば幸いです。

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